2019年08月25日

「第22回だざいふのこと 大宰府戒壇院と鑑真和上」講師:唐招提寺副執事長 石田太一さん」@イエノコト

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754年に大宰府を訪れた鑑真和尚。
唐招提寺に残る「唐大和上東征伝」や鎌倉時代に描かれた「東征伝絵巻」を引きながら
鑑真の足跡を、とてもわかりやすく、ときにユーモアを交え語ってくださいました。
唐では4万人も弟子がいたこと。
5回目の日本への渡航の試みの際、
失明したと聞いていましたが、「東征伝」によると、
炎熱で眼光暗昧になったとき、胡人が治療して失明したということ。
同じ5回目の渡航の際の東シナ海を漂流したときの
「東征伝」の記述を絵にした絵巻がとても面白く、
ゆっくり見てみたいです。
絵師が想像したトビウオはでっぷりした鯛だったり、
マグロも金魚を描いていたりします。
あまりに波乱万丈な鑑真の人生。
井上靖の「天平の甍」を読んだだけでしたが、
いつか鑑真が登場する他の小説も読んでみようと思います。
posted by 理乃(ニックネーム) at 17:35| 福岡 ☁| Comment(0) | ●戒壇院 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月24日

「悲しみは憶良に聞け」中西進

悲しみは憶良に聞け
悲しみは憶良に聞け

令和の考案者といわれる中西進氏の著作を初めて読みました。
タイトルにシビレます。
中西先生の立場は憶良は百済の医師憶仁の息子で、
白村江の敗戦後、父に連れられ倭国に亡命してきたというもの。
生い立ちを考察し、憶良の抱えた悲しみを紐解いていきます。
在日、帰国子女の悲しみ。
ノンキャリア公僕の悲しみ。
貧乏の悲しみ。
病気の悲しみ。
老いの悲しみ。
愛と死の悲しみ。
誰も貧乏なんか歌わなかった時代。
誰も憶良のように74歳という高齢まで生きられなかった時代。
大宰府へ来たのは66歳のとき。
73歳でやっと帰京したものの、74歳で亡くなっています。
人生に苦悩し、格闘した人間憶良が迫ってきます。
ラベル:憶良
posted by 理乃(ニックネーム) at 00:59| 福岡 ☁| Comment(0) | ★太宰府関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月17日

「天の眼 山上憶良」星野秀水

天の眼 山上憶良
天の眼 山上憶良

梅花の宴関係の小説を読んでいますが、なかなかありません。
この本は山上憶良の生涯を描いたもの。
作者の星野秀水さんは本名、仁田原秀明さん。
高校の校長、福岡女子短期大学学長もされてこられました。
この本は憶良は百済からの亡命者という位置付です。
物語は白村江の戦いがあった百済から始まります。
中大兄皇子は百済に行ったという設定。
豊璋は鎌足であったという意外な説もとられています。
ヤマトに亡命し医師であった父の教えの通り、
目立つことなく堅実に学問に励んでいた憶良は遣唐使として唐に派遣され、
官僚への道を上っていきます。
筑前の国司となって大宰府へやってきて、旅人とも交流。
今話題の旅人邸はここでは月山となっています。
国府は政庁の後ろ。
国司という立場と貧しい庶民との板挟みになり、
どうすることもできない自分に和歌を残すという意義を見い出します。
最後、任期を終え、平城京に戻る憶良を吹田の湯で人々が送別会をするシーンが印象的。
そこに出席したのは官人はもちろん、大野城の山城を作った老人、防人などもいました。
社会の底辺にいる人を歌にした憶良だったからこそでした。
posted by 理乃(ニックネーム) at 12:28| 福岡 ☀| Comment(0) | ★太宰府関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月13日

「万葉の華 小説坂上郎女」三枝和子

万葉の華―小説 坂上郎女
万葉の華―小説 坂上郎女

大伴旅人の時代の小説を探して出会った書。
坂上郎女は旅人の異母妹。
旅人の妻が亡くなったのち、
旅人を支えるために大宰府にやってくる。
梅花の宴の章もある。
食べ物や食器まで描かれているところが女性作家らしい。
旅人亡きあとは家刀自として大伴家を支えた。
この小説では万葉集の発案は坂上郎女のものとなっている。
朝廷の権力闘争にいやおうなく巻き込まれる大伴家。
坂上郎女はそんな中で波乱に満ちた生涯を送る。
家持は陸奥に派遣されている最中に病死。
家持の息子の永主も隠岐に流され、
坂上郎女が支え続けた名門大伴家は没落する。
posted by 理乃(ニックネーム) at 00:53| 福岡 ☀| Comment(0) | ★太宰府関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月06日

「中大兄皇子伝」黒岩 重吾

中大兄皇子伝〈上〉 (講談社文庫)
中大兄皇子伝〈上〉 (講談社文庫)

中大兄皇子伝〈下〉 (講談社文庫)
中大兄皇子伝〈下〉 (講談社文庫)

白村江の戦いを指揮した中大兄皇子。
戦いに敗れると水城と大野城、基肄城を築いた。
大宰府の地も行き来したはず。
入鹿を殺害した残虐な皇子の生涯が知りたく、
この本を読んでみた。
新しい律令国家を建設するために、
鬼となって邪魔者を排除した皇子の青年期から死までを追った小説。
血気盛んな皇子に侍る鎌足。
激動の時代を生きた皇子は数々の禁忌を打ち破った。
残念ながら水城は築いたとあるだけ。
億礼福留がわずかながら登場。
他に億礼福留が出てくる小説はあるんだろうか?
posted by 理乃(ニックネーム) at 00:58| 福岡 ☁| Comment(0) | ★太宰府関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする