2019年08月17日

「天の眼 山上憶良」星野秀水

天の眼 山上憶良
天の眼 山上憶良

梅花の宴関係の小説を読んでいますが、なかなかありません。
この本は山上憶良の生涯を描いたもの。
作者の星野秀水さんは本名、仁田原秀明さん。
高校の校長、福岡女子短期大学学長もされてこられました。
この本は憶良は百済からの亡命者という位置付です。
物語は白村江の戦いがあった百済から始まります。
中大兄皇子は百済に行ったという設定。
豊璋は鎌足であったという意外な説もとられています。
ヤマトに亡命し医師であった父の教えの通り、
目立つことなく堅実に学問に励んでいた憶良は遣唐使として唐に派遣され、
官僚への道を上っていきます。
筑前の国司となって大宰府へやってきて、旅人とも交流。
今話題の旅人邸はここでは月山となっています。
国府は政庁の後ろ。
国司という立場と貧しい庶民との板挟みになり、
どうすることもできない自分に和歌を残すという意義を見い出します。
最後、任期を終え、平城京に戻る憶良を吹田の湯で人々が送別会をするシーンが印象的。
そこに出席したのは官人はもちろん、大野城の山城を作った老人、防人などもいました。
社会の底辺にいる人を歌にした憶良だったからこそでした。
posted by 理乃(ニックネーム) at 12:28| 福岡 ☀| Comment(0) | ★太宰府関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする