9月6日までの開催。

目玉の「ウルのスタンダード」。
メソポタミア文明のもの。
1920年代に発掘されたシュメール人の都市、
ウルの王家の墓から見つかった不思議な箱。
戦争面と平和面があり、
戦争面では敵が戦車に轢かれている。
気の遠くなる古代から人は殺し合ってきた。
背景に敷き詰められたラピスラズリが美しい。

ロゼッタストーン
え?来たの?。。。
残念ながらレプリカ。
でも大きさとか、こんなものかと分かる。
刻まれいるのは紀元前196年の政府の法令。
同じ文言が3種の言葉で刻まれている。
そのため19世紀の研究者たちがヒエログリフを解読するきっかけになった。
上段にはヒエログリフ、
中段にはデモティック、
下段にはギリシャ語が書かれている。

アッシリアの戦士のレリーフ
現在のイラク北部を支配した古代アッシリアの首都、
ニネヴェの遺跡。
紀元前700年〜695年のレリーフだが、
シンプルなフォルムが美しい。

楔型文字体験コーナー
九博が得意な体験コーナー。
観覧の途中にちょっと一息入れて、体験すると楽しそう。

ミトラス神像
100〜200年。ローマ。
美しい大理石の彫刻。
なんて均整が取れた彫刻だろう。
キリスト教の隆盛の前にローマ帝国で広まっていたミトラス教はペルシャが発祥の地。
襞のよった上着が風になびき、
巻き毛に帽子をかぶったファッショナブルな神様。

デューラーの犀
思いがけず、大好きな画家に会えるとうれしくなる。
この犀が変なのは想像で描いているから。
鎧を着たかのような犀。
不思議だが、とても力強い線と形。

折り鶴と透明なオブジェ
最後に紹介するのは101点目の作品。
大英博物館展は100点の作品を展示し、
世界を巡回している。
101点目の作品は開催した会場独自のものが展示されている。
九博が展示したのは折り鶴と透明なオブジェ。
この世界は災害、戦争、いじめ、自殺などで混迷を極めている。
そんな中で人々は祈り、希望を見出そうとする。
その行為を象徴するものとして選ばれたのが折り鶴。
鶴を折るのは観覧者。折った鶴は大きな透明な鶴の中に入れる。
最初の鶴は内覧会の日、大英博物館の学芸員、ベリンダ・クレラ―さんが入れた。
ロンドンに行かずとも、身近なところに作品を持ってきてくれる。
九博の近くに住むのは恵まれています。
※写真提供:九州国立博物館