2015年07月17日

大英博物館展レポート

九博の大英博物館展のレポートです。
9月6日までの開催。

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目玉の「ウルのスタンダード」。
メソポタミア文明のもの。
1920年代に発掘されたシュメール人の都市、
ウルの王家の墓から見つかった不思議な箱。
戦争面と平和面があり、
戦争面では敵が戦車に轢かれている。
気の遠くなる古代から人は殺し合ってきた。
背景に敷き詰められたラピスラズリが美しい。

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ロゼッタストーン
え?来たの?。。。
残念ながらレプリカ。
でも大きさとか、こんなものかと分かる。
刻まれいるのは紀元前196年の政府の法令。
同じ文言が3種の言葉で刻まれている。
そのため19世紀の研究者たちがヒエログリフを解読するきっかけになった。
上段にはヒエログリフ、
中段にはデモティック、
下段にはギリシャ語が書かれている。

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アッシリアの戦士のレリーフ
現在のイラク北部を支配した古代アッシリアの首都、
ニネヴェの遺跡。
紀元前700年〜695年のレリーフだが、
シンプルなフォルムが美しい。

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楔型文字体験コーナー
九博が得意な体験コーナー。
観覧の途中にちょっと一息入れて、体験すると楽しそう。

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ミトラス神像
100〜200年。ローマ。
美しい大理石の彫刻。
なんて均整が取れた彫刻だろう。
キリスト教の隆盛の前にローマ帝国で広まっていたミトラス教はペルシャが発祥の地。
襞のよった上着が風になびき、
巻き毛に帽子をかぶったファッショナブルな神様。

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デューラーの犀
思いがけず、大好きな画家に会えるとうれしくなる。
この犀が変なのは想像で描いているから。
鎧を着たかのような犀。
不思議だが、とても力強い線と形。

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折り鶴と透明なオブジェ
最後に紹介するのは101点目の作品。
大英博物館展は100点の作品を展示し、
世界を巡回している。
101点目の作品は開催した会場独自のものが展示されている。
九博が展示したのは折り鶴と透明なオブジェ。
この世界は災害、戦争、いじめ、自殺などで混迷を極めている。
そんな中で人々は祈り、希望を見出そうとする。
その行為を象徴するものとして選ばれたのが折り鶴。
鶴を折るのは観覧者。折った鶴は大きな透明な鶴の中に入れる。
最初の鶴は内覧会の日、大英博物館の学芸員、ベリンダ・クレラ―さんが入れた。
ロンドンに行かずとも、身近なところに作品を持ってきてくれる。
九博の近くに住むのは恵まれています。

※写真提供:九州国立博物館
posted by Rino(ニックネーム) at 00:12| 福岡 ☁| Comment(1) | ●九州国立博物館 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このたびはブログルポありがとうございます。大英博物館展担当者の河野と申します。お蔭さまで、101点目の鶴も、皆様にどんどん作っていただいて、熱い思いが伝わってくるように思われます。展覧会はまだ始まったばかり。今後も、応援、よろしくお願い申し上げます。
Posted by 九州国立博物館 at 2015年07月23日 16:56
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