最終日の3日に行ってきました。
月曜なので少ないと思っていたら、なんのなんの。
政庁通りに入るやいなや渋滞でした。
入ると即、螺鈿紫檀五絃琵琶の列に並びました。30分待ち。
なにせこれ目当てなので、ここで引き下がるわけには行きません。
待っている間、入り口で借りたガイドテープを聞きます。
いよいよ目の前に来た螺鈿紫檀五絃琵琶。
なんと優美な!
完璧なそのフォルム。
そして時を超え、このように完全な姿で残っていることにまた感動を覚えます。
まるでタイムスリップしてきたかのように、
聖武天皇が愛でていたその場所から今やってきたみたいです。
ぐるりと後ろに回ると、華麗な花模様があって、ため息が出ます。
目玉をじっくり見たので、入り口に戻って見ていきました。
独特な縄文時代の土器。

火炎土器は聞き慣れていますが、水煙土器もまたすてき。
そしてこれもまた独創的な遮光器土偶。

大きな目を閉じて、その中央に鼻の穴がある造形をいつも不思議に思って見ていました。
その疑問に一つの答えを出してくれたのは今年読んだ宗左近の『日本の美 縄文の系譜』でした。
これは男が抱いたときに見る仰向いた女の顔というのです。
『…つまり、遮光器土偶の顔は性の現場での女性のものなのである。
だからこそ、その目は閉じている。閉じていながら、闇を見て、開いている。
しかも男性の目のすぐ下にあるから、その目はひどく大きい。
しかし、その顔は、性の行為の果てたときのものではない。
これから始まろうとするのを感じるているときのものである。。。』
だが待たれているのは人間の男性でなく、
神という名の男性なのだといいます。
続いて埴輪もすてきなのですが、
古代のアブストラクトの美しさに吸い寄せられましたた。内行花文鏡です。

そして奈良法隆寺の多聞天立像(たもんてんりゅうぞう)。

世界最古の木造建造物法隆寺金堂に安置される四天王のうちの一つ。
これまで見てきた多聞天とは随分違います。
キリッとした切れ長の目の凛々しき日本男児。
どれもこれも名品ぞろいで、見応えたっぷりの展示。
11月29日までとなっています。
※写真は九州国立博物館の提供を受けています。