2020年05月23日

「朱鳥の陵(あかみどりのみささぎ)」坂東眞砂子

朱鳥の陵 (集英社文庫) - 坂東 眞砂子
朱鳥の陵 (集英社文庫) - 坂東 眞砂子

★ネタバレ注意
飛鳥時代のお話。
主人公は二人。
常陸国で夢解きをしていた白妙と持統天皇。
白妙は藤原京に呼ばれ、
御名部皇女が見た夫、高市皇子の夢を解き明かすように命じられる。
その夢解きの途中で白妙はなぜか
持統天皇の心の中に迷い込んでしまう。
内裏暮らしで白妙は額田王、柿本人麻呂とも出会い、
少しずつ持統天皇の触れてはいけない秘密に近づいていく。
天智天皇の娘で、天武天皇の妻となった持統天皇。
天智天皇亡き後の後継者争い、
壬申の乱で、天武天皇は天智天皇の第一皇子、大友皇子を打ち負かす。
一時は吉野に籠もり、
苦労して助け合ってきた夫、天武天皇は次々に妻を娶り、
持統天皇の不満は募る。
やがて持統天皇は夫、天武天皇を死に至らしめ、
高市皇子の手を借り能力なしと見限った息子草壁皇子まで手にかける。
持統天皇の心の闇に分け入った白妙はついに持統天皇に悟られてしまう。
そして持統天皇は恐ろしい罰を白妙に与える。
このラストに収束していくホラー感が坂東眞砂子の真骨頂。

万葉集中の持統天皇の一首、

「春過ぎて 夏きたるらし “白妙”の 衣ほしたり 天の香具山」

もうこの歌を恐怖なくして読めそうになくなった。
posted by 理乃(ニックネーム) at 15:04| 福岡 ☁| Comment(0) | ★太宰府関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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