2020年06月21日

「隠された十字架 法隆寺論」梅原猛

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫) - 猛, 梅原
隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫) - 猛, 梅原

すごい本でした。
センセーショナルで情熱に溢れ、
法隆寺の謎に肉迫する書物。
漫画「天智と天武」の冒頭で法隆寺の救世観音開扉の経緯を知り、
この本を読まねばと思った次第です。
救世観世音菩薩像は、200年間もの間、
開扉されていませんでした。
開扉すると恐ろしいことが起こると洗脳されていた僧侶たちの反対を押し切って
扉を開いたのは日本人ではなく外国人でした。
それは1884年(明治17年)のこと。
明治政府から調査の委嘱を受けたアーネスト・フェノロサは
調査目的での開扉を寺に求めました。
扉を開けたところ、埃に塗れ、
500ヤード(約457メートル)の木綿の布で
ぐるぐる巻きにされた救世観音が現れました。
しかも光背は像の頭に釘打ちされていたのです!
しかしフェノロサは像の美術的な価値に言及したものの、
この像がなぜこのような姿をしているところまでは立ち入りませんでした。
誰がどんな目的で作ったのか、
この像について総合的に俯瞰して見る視線は
一人の哲学者の登場を待たねばなりませんでした。
それがこの書。
隠された物語は実に巧妙で、
その謎を解いていく過程はスリリングそのもので、強烈な読書体験でした。
posted by 理乃(ニックネーム) at 12:16| 福岡 ☁| Comment(0) | ★太宰府関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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