2008年06月09日

観世音寺・宝蔵の鵄尾

昨日の観世音寺の宝蔵のお話の続き。
これも大学の公開講座で学んだことです。

建築する際、
文化財を保存する宝蔵の屋根は
文部省文化財保護委員会の指導に基づき、
とても厳しい基準が設けられました。

屋根を制作したのは宰府の職人でした。
1年ほどかかって家族と職人計五人で制作したとのこと。
原土は6カ月以上晒したものであることをはじめ、
寸法、模様、強度、光沢などにわたって
厳しい規定がありました。
1カ月に4回(冬は材料集め)、
1回に700枚ほどが焼かれました。
暑い夏は、夜間に作業が行われました。
焼いた総数は約2万枚。
瓦の検収は厳しいもので、
不合格品は直ちに現場外へ搬出されました。
基準を満たさなかった瓦は講堂の瓦の修復に回されたということです。

河内卯兵衛氏は当初、宝蔵の屋根に鵄尾(しび)を
取り付けることを望みました。
鵄尾とは宮殿や仏閣などの大建築の屋根の両端に
鯱(しゃちほこ)や鬼瓦のように置くもの。
古の中国や朝鮮のものが飛鳥時代に伝わりました。
奈良大仏殿の大屋根、唐招提寺、玉虫の厨子などには
鵄尾が使われていますが、
武士の時代になると鯱がもてはやされるようになります。

でも宝蔵建設時にはこの形式の屋根には上げられないと却下され、
結局、鳥衾(とりぶすま/長く反って突き出した丸瓦)が取り付けられました。
ところが宝蔵完成後、わずか1年で鳥衾は落雷で破損するのです。
そのため新たに奈良の瓦宇工業所で鵄尾が制作され、
現在のものが取り付けられました。

kawara1.jpg

高さは80cm。
モデルは奈良法輪寺の鵄尾とのこと。

hozo3.jpg

当初、この鵄尾は金色に輝いていたといいます。
金箔を張り、合成樹脂で覆ったそうですが、
今では金色は褪せています。
宝蔵に取り付ける以前に博多大丸で展示されています。

宝蔵を訪れましたら、
視線を屋根に向け、
ぜひ鵄尾もご覧ください。


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posted by 理乃(ニックネーム) at 15:28| 福岡 ☀| Comment(2) | ●観世音寺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
観世音寺の花をここまで鑑賞させていただきました。大変良い雰囲気の場所と分かりました。大宰府付近の様子を知るために、またこちらに立ち寄らせていただきます。今日は良い写真を見せていただき、ありがとうございました。
これからもこのような紹介写真をお見せください、お願いします。
Posted by いしやま at 2014年01月13日 17:11
いしやまさま

はじめまして。
観世音寺は散歩コースですので、四季折々の表情をご紹介していけると思います。
これからもよろしくお願い申し上げます。
Posted by 理乃 at 2014年01月14日 19:06
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